レンタカー事業にて複数OTAサイトの在庫を管理画面1つで一括調整できるツール「メトロコンダクター」。トライアル導入も含めて1年以上が経過するBACKDRAFT株式会社(ククルレンタカー石垣島営業所)の山城さんに、メトロコンダクター導入の経緯と導入して感じた効果、今後のメトロコンダクターを活用したレンタカー事業運営の展望について語ってもらった。
ITリテラシーの差により在庫調整業務が属人化し、多忙な日々の業務により在庫調整が億劫になっていた
山城さんの自己紹介をお願いします。
私はBACKDRAFT株式会社、ククルレンタカー石垣島営業所の店長を務めています。送迎をはじめとした接客から車両の洗車やメンテナンス、経理や経営管理なども含め、レンタカー事業に関わる全般的な業務を担当しています。
私は2019年2月にBACKDRAFTのレンタカー事業にジョインしました。石垣島に魅力を感じ、神奈川から石垣島に移住したのがきっかけです。前任者はいたものの入社後1ヶ月間の研修を終えてすぐに店長にならないかとオファーを頂き、それを受けて今に至ります。
メトロコンダクターを導入したのは、どのような経緯ですか?
弊社は現在3つのOTAサイトに掲載しているのですが、メトロコンダクターを導入する以前は、それぞれ仕様が異なる管理画面で1つずつ操作し販売車両の在庫を調整していました。私自身PCを操作すること自体は苦ではありませんが、日々の業務で体を使い在庫調整に頭を使い手間もかかるとなると、どうしても億劫になっていました。
また、店舗スタッフの中には年齢層の高いメンバーがおり、PCの操作に不慣れだったり、仕様の違うサイトの操作方法をそれぞれ覚えるのが手間に感じて取りかかってすらくれないことがありました。そのため、在庫管理は基本的に私が全部やっており、オペレーションが属人化している状態でした。
これらの課題を日々感じていた中、知人からメトロコンダクターの提案を受けました。メトロコンダクターは、各OTAサイトの在庫を1つの管理画面で一括管理することが可能になるツールで、まさに私が欲しかったものだと感じました。費用対効果を考えても従業員1人を雇うよりも割りに合うため、私主導ですぐに導入を決めました。
現場の方はどのようにツールを使っていますか?
弊社は、スタッフが合計で私含めて6人おり、フルタイムやパートタイム、老若男女、経験のある人や新人で経験の浅い人など、いろんなメンバーで構成されています。スタッフ6人が交代で、通常時は2-3日に1回、繁忙期前は毎日メトロコンダクターを用いて在庫調整を行っています。
在庫調整では、向こう2ヶ月くらい先までの在庫を集中的に調整しています。3ヶ月以降の予約を受け付けてもキャンセルが発生することがあるため、弊社の方針としてはある程度想定できる将来の在庫のみを調整しています。
担当者がメトロコンダクターを使いこなすようになるまで、何かハードルはありましたか?
いいえ、特にはありませんでした。私自身は割と早く使いこなせるようになりましたが、正直他のスタッフに関しては、バックグラウンドや年齢、ITリテラシーなども異なるため、当初はどれくらい時間がかかるか全く読めませんでした。ただ、メトロコンダクターは操作が簡潔でわかりやすく、1つの管理画面の操作を覚えるだけで良いため、長くても数週間程度とスタッフたちが理解するまで早かったです。
メトロコンダクター導入以前は、各OTAサイトの仕様に合わせて1つずつレクチャーする必要がありその手間が大変でした。しかしメトロコンダクター導入後は、管理画面を見ながら「在庫が0になっていたら増やしてね、在庫を増やして良い車種はこれだよ。画面を見ればすぐわかるよ」というだけでみんなすぐに理解をしてくれ、結果的に教育にかける時間と手間をかなり省くことができました。
それだけでなく、簡潔な操作性のおかげでITリテラシーに自信のなかった年齢層の高いメンバーも短い時間でサクサク操作できるようになり、オペレーションの属人化を解消することができました。
コロナを機に車両の台数を半数以下に削減。それにも関わらず直近の売上が約10%増加。コロナ以前と比べても過去最高を記録
導入してみて何か効果はありましたか?
はい、直近の2022年3月から5月の売上実績が、コロナ以前の2019年の実績を抜き、過去最高を記録しました。具体的な数値で言うと、感覚で約10%増加しました。しかも、コロナを機に車両の台数を90台から40台へ半数以下に削減したにも関わらずです。これには複数の要因があるかと思われますが、1つにはメトロコンダクターを用いた細やかな在庫調整により、効率的な車両販売を実現できたことがあると考えられます。
実際、車両数が多い時にはそれほど懸念しなくて良かったことですが、車両台数が減るとオーバーブッキングが発生するリスクが高まるため、在庫調整がシビアになります。オーバーブッキングのリスクを下げるために少ない在庫を設定してしまっては販売の機会損失を招くことになりますし、今は保有台数を削減したことで車両1台あたりの機会損失が売上に与えるインパクトも大きいです。
この点に対しメトロコンダクターは、登録した在庫数が0になるまで複数OTAサイトに掲載し続け、在庫数が0になった瞬間に一斉に売り止めをかけられます。これによりオーバーブッキングの発生リスクを低減しつつ、稼働率の上限に達するまでの攻めの販売が可能になり機会損失を防ぐことができます。
売上増加につながった要因として、他にはどのようなものがありましたか?
メトロコンダクターの在庫調整機能の中に、ボタン1つの操作で特定のOTAに登録している車両の在庫を一括で売り止めする機能があり、その機能が価格の機会損失も防いでくれました。弊社の場合、例えば5月のGWの時期には、繁忙期前の通常料金と繁忙期中のハイシーズン料金2つに分けて価格を設定しています。
直近2022年のGWでは、特定のOTAの在庫に対し、繁忙期に入る数日前に意図的に売り止めをかけました。理由としては、GWのハイシーズン価格が適用される前のタイミングでGWの繁忙期をまたいだ期間の予約が入ると、本来ならGWの繁忙期中にハイシーズン価格が適用されるはずだったのがハイシーズン価格が適用される前の通常価格で売れたことになり、本来よりも安い価格で売れてしまったことになるからです。そのような状態を防ぐことができ単価を上げることができたのも、売上増加の要因の1つとして考えられるかと思います。
ほかにも環境要因もある気がします。コロナが落ち着き始め石垣島への旅行客が戻ってきている一方で、周りのレンタカー事業者も含めレンタカー事業者全体がコロナを機に減らした在庫数を戻しきれておらず需要過多になり、例年より弊社のレンタカー需要も増加したことが売上増加に影響しているかと思います。
ただ私個人の考えとしては、メトロコンダクターの在庫調整機能のおかげでレンタカー事業の販売戦略が充実し、販売の機会損失や価格の機会損失を回避することができたことが、売上増加の要因としては大きいのではないかと思います。
メトロコンダクターを通じた業務効率化で心のゆとりを生み、お客様に真摯に向き合う接客でレンタカー事業全体を盛り上げていきたい
売上増加以外にも、何か効果はありましたか?
はい、在庫管理の効率化と属人化の解消により、私含めスタッフの稼働時間を全体的に減らすことができ、スタッフ全員にもゆとりができて日々の接客や車両整備に専念できるようになりました。
実際メトロコンダクター導入前の2019年の夏の繁忙期には、送迎と接客で手一杯でスタッフ全員に余裕がありませんでした。そのため、例えば車両整備の1つである洗車には手が回らず、地域の職業訓練生などに依頼して洗車をしてもらっていました。メトロコンダクター導入後は、自分たちの稼働の範囲内で洗車を賄えるようになっただけでなく、洗車以外のほかのオペレーションも諸々含め、在庫管理の効率化のおかげで全体的に円滑に回るようになりました。
また稼働時間以外の観点として、オーバーブッキングの発生リスクの観点からも、心のゆとりができました。オーバーブッキングに対しては、メトロコンダクター導入以前も起こさないように注意はしていましたが、導入後はそこに使う神経の量が大きく減りました。メトロコンダクター導入以前は、掲載中のOTAサイトの在庫がそれぞれどういう状況か並列で全て把握しておく必要があり、在庫調整も迅速な対応が求められるため、多くの神経を使っていました。そこがメトロコンダクターによって自動調整してくれるようになったことで、多くの神経を使う必要がなくなり心のゆとりができました。
最後に、今後のメトロコンダクターを活用したレンタカー事業運営の展望があれば教えていただけますか?
メトロコンダクターは、特に我々のような中小規模のレンタカー事業者にとっては、現場の悩みを解決してくれる非常に有益なツールだと思います。実際メトロコンダクターの導入により、弊社の店舗の場合は在庫調整業務の属人化の解消や業務効率化によるオペレーションの円滑化により心のゆとりが生まれました。
そしてあくまで私個人の考えですが、レンタカー事業者のスタッフは常に心のゆとりが必要だと思います。旅行客はみんな石垣島にレジャーを楽しみに来ています。レンタカー事業は、そんな彼らの旅の始まりと終わりに立ち会う重要なサービスです。そこを濁してしまったり、そこで嫌な空気にさせてしまったら、何十万円も払ってわざわざ石垣島に来てくれた旅行客の体験全体を悪いものにしてしまいかねません。彼らにどれだけ楽しんでもらえるか。レンタカーが旅行の一部だとしたらかなり重要な一部を占めていますし、そこに期待以上の価値を提供するには心のゆとりを持ってお客様に真摯に向き合う接客が必要になるように思います。
このようなお客様を全力でもてなすための心のゆとりを、メトロエンジンさんと一緒にメトロコンダクターを通じて育んでいき、レンタカー事業ひいては旅行事業を全体的に盛り上げていければと思います。
山城さん、ありがとうございました。