レンタカー事業にて複数OTAサイトでの一括在庫調整や売り止めをかけられる在庫管理ツール「メトロコンダクター」。導入後半年以上が経過する株式会社カーポイントビック(スズキレンタカー北海道)の東和紀さんに、メトロコンダクターを導入した背景と導入して感じた効果、今後メトロエンジンのツールを用いたレンタカー事業運営の展望を語ってもらった。
繁忙期の細かな在庫調整が困難で、毎年オーバーブッキングの発生や販売の機会損失に悩んでいた
東さんの自己紹介をお願いします。
私は株式会社カーポイントビック、スズキレンタカー北海道のレンタカー部にて部長を務めております。レンタカー事業における売上・コストの管理や事業戦略の策定、DX化の推進をはじめとした経営管理及び車輛のチャーターやリースに関わる営業を担当しています。
メトロコンダクターを導入したのは、どのような経緯ですか?
弊社のレンタカー事業は、2020年4月に沖縄ツーリスト株式会社が運営していたOTSレンタカーから営業権の譲渡を受けたのが始まりでした。
OTSレンタカーを引き継いだ際、当初は基幹システムやOTA管理ツールはOTSレンタカーで使われていたものをそのまま使っていました。しかし、そのシステムやツールでは、現場の課題を解決できない部分があったり、自社で新たな機能を追加するのがスムーズに実現できなかったりと、不便に感じる部分がありました。
これらを解決するシステムやツールを探していたところ、親交のある知人からメトロコンダクターの提案を受けました。その提案を受け社内のいろんなメンバーから意見を聞いたところ、経営層としてはDXの一環としてより良いシステムに切り替えていきたい意向があり、現場のメンバーからは現場で抱えている課題を解決できるツールだとのことで、どのメンバーも導入に賛成でした。
現場の課題というのは、具体的にどういった課題がありましたか?
ゴールデンウィークや年末年始などの繁忙期の際、在庫の細かな調整をするのが困難でした。
在庫の稼働率が90%を超えたあたりから、複数のOTAに在庫をどの配分で割り振るかが非常に繊細になってきます。在庫を多めにOTAに割り振ると、人手で管理するには限界がありオーバーブッキングを招いてしまいます。逆に人手で管理できるよう在庫をひかえめに設定すると販売機会の損失につながります。このように繁忙期の複数OTAへの在庫配分に頭を抱える状態を毎年繰り返していました。
現場の方はどのようにツールを使っていますか?
弊社は新千歳空港営業所の1店舗のみ運営しており、そこにメトロコンダクターを導入しました。OTAの在庫調整は専任の担当者が1人とサポートのスタッフが2人で行っており、メトロコンダクターの利用はほとんど彼らに任せています。
在庫調整の頻度としては基本的には毎日で、在庫数を変更しない場合でも少なくとも管理画面を開いて日々の売れ行きのチェックは行っています。
担当者がメトロコンダクターを使いこなすようになるまで、どれくらいの時間を要しましたか?
1-2週間程度だったと思います。想定よりもかなりスムーズに導入することができました。
使い方でわからない部分があったり不具合が生じたりした際も、カスタマーサポートの方がすばやく丁寧に対応をしてくださいました。そのおかげもあって、特別大きな問題もなく導入できました。
また、いきなりの本導入ではなく、まずはトライアルという形での導入というのもとても親切でした。トライアル期間があったおかげで、あるタイミングから既存のオペレーションを完全に切り替えるといった必要がなく、徐々に移行していくことができました。このような流れで導入することができたのは、我々にとって負担が少なくてありがたかったです。
実際に導入してからも、現場のメンバーからは操作性も良く、とても使いやすいツールだという声をもらっています。
在庫の稼働率100%を実現。業務効率化で得た時間はお客様の多様なニーズに応える商品開発に
導入してみて何か効果はありましたか?
はい、ありました。
まず、さっき言った繁忙期の在庫配分の課題に関して、メトロコンダクターの機能で在庫の細かな調整が可能になったことで、直近の2021年から2022年の年末年始に稼働率100%を実現することができました。
複数のOTAに対して売り切れるギリギリまで最大限の在庫を割り振ることができ、全て売り切れた際には自動ですぐに売り止めをかけてくれます。稼働率が90%から100%になったということで、単純に考えても10%の売上向上はあったかと思います。
直近の年末年始は新型コロナウィルスの影響もあり、本当の繁忙期を迎えることができていませんが、次のゴールデンウィークや夏休みの繁忙期を迎えるのがとても楽しみです。
他にも効果はありましたか?
はい、効果は稼働率の向上だけではなく、業務効率化も実現することができました。各OTAサイトの在庫を管理画面1つで一括管理することができるため、例えば掲載しているOTAサイトが6つの場合、単純に考えても担当者の作業が6分の1になります。
業務効率化によって空いた時間は、他の生産的な業務に当てられるようになりました。弊社の場合はweb担当のメンバーであっても、車両の管理などweb以外の業務も兼任しています。そういった他の業務に時間を使うことができるようになりました。
ほかにも、レンタカーの販売商品の拡充に多くの時間を使えるようになりました。同じ車両クラスでも価格重視のプランや補償の充実したプランなど複数のプランを作ったり、ゴールデンウィークや夏休みなどその季節にあった家族向けの利用プランを作成したりなど、お客さんの多様なニーズに応え、より高い付加価値を提供していきたいと思っています。
レンタカー事業に必要なシステムやDXツールを全てメトロエンジンに任せたい
最後に、今後のメトロコンダクターを活用したレンタカー事業運営の展望や、メトロエンジンへの期待があれば教えていただけますか?
今回導入したのは、メトロコンダクターの中でも複数OTAの一括在庫調整という、ほんの一部の機能に過ぎません。まずはそこからスタートし、ゆくゆくは自社の予約エンジンや基幹システムもメトロエンジンさんのものを導入したいと考えています。
こうして保有する全ての在庫と予約状況を正確に把握できる基盤を整えた上で、さらに市場の動向に合わせてレンタカーの販売価格を繊細に調整するダイナミックプライシングも実現していきたいです。
つまり、レンタカー事業のDXツールといえばメトロエンジンさんですよね、という形で全てまるっとお任せしたいと思っています。
東さん、ありがとうございました。